神のマジェスティ(威光)の下で

ダニエル 朴

人生を変えた最大の出会い

はじめに

この証を書き残そうと思い立った理由は、北浜シャロン祈り会で短く証をした時に、VIP関西会長の持田明広氏から「その内容を文書にまとめてみたら」という勧めがあったこと、そして寝屋川市での仕事を通して生きておられる神様を経験し、それを今後の自分への教訓と道しるべにしたいという願いからです。

VIPクラブとの出会い

VIPクラブとの出会いは、2~3年前にVIP神戸の集会で衆議院議員の土肥隆一氏、MKグループ副会長の青木秀雄氏が講師として来られた時に参加した時でした。その後は仕事や教会の奉仕が忙しく参加できずにいましたが、寝屋川市へ引越してVIP京阪に参加した時に、VIP京阪の世話役である篠田裕司氏と出会いました。彼はわざわざ大阪ドームでの「ギフト・ショー」に来て下さり、また寝屋川市の売場にも来てくださるとおっしゃっていたので、電話で、寝屋川市の店舗がもうなくなってしまったことや、それに関する前後の事情を少し話しました。すると彼は、「一緒に祈ろう」と言って、祈ってくれました。彼の祈りを聞きながら、私は思わず涙があふれてきました。みことばを握ってはいましたが、疲れきっていた私の心に聖霊様が触れて慰めてくださるようでした。先が真っ暗でどうしたらいいかわからず、ただただ祈るばかりでした。 篠田さんが梅津善一さんや持田さんを紹介してくれ、VIPクラブや北浜シャロン祈り会にまた参加するようになりました。VIPクラブの皆さんの祈りと励ましがなかったら、私はもうとっくに日本を離れて韓国に帰っていたことでしょう。思い起こしてみれば、生きておられる神様の特別な祝福により、イエス・キリストの働きに参加させていただいたことは大きな喜びであり、貴重な思い出です。

韓国から日本へ

私は、15年前にビジネスのために単身で来日しました。私は家族と一緒に暮らしたいと願っていましたが、妻は二人の娘の教育のことを考え、韓国を離れるのをためらっていました。祈り続けた結果、彼女はQT(日々のみことばの黙想)を通して、みことばの語りかけに従い、来日を受け入れてくれました。家族と一緒に日本で暮らすようになって、今年で5年になります。

1998年3月に、ソウル・オンヌリ教会で「平信徒教職者」としての派遣式の祝福を受け、永吉牧師が牧会しているインターナショナル教会で、QTや「一対一弟子訓練」を通して神様に仕えました。また、1999年にツラノ書院オープニングセレモニーや毎日新聞社のクリスマス伝道集会を開き、2000年3月2日には金サムエル先生が来日され、大阪オンヌリキリスト教会の仕事も始まり、私は教会での奉仕にとても重い責任を感じていました。礼拝堂となる上本町の建物で、御国教会の朴テモテ牧師と金サムエル牧師、妻と4人で一緒に祈り、3月5日に大阪オンヌリキリスト教会で最初の礼拝が捧げられました。金サムエル牧師は、毎週末に韓国から来られてメッセージをされていました。そのため平日には教会に牧師がおらず、教会とツラノ書院の仕事が私に押し寄せてきてとても忙しくなり、教会近くに自宅と会社を移転して、仕事と共に神様に感謝し賛美する日々をおくっていました。

ホンサムナラ・ジャパンの設立

「ホンサムナラ」(「紅参の国」の意:会社名)の経営陣との縁で、2001年1月23日に「ホンサムナラ」本社を訪問しました。これをきっかけに、3月2日に大阪で「ホンサムナラ」の全社長と日本事業に関する契約を結びました。続いて教会の友人の紹介で、在日韓国人の家主と寝屋川市にある店舗の賃貸借契約を結び、百円ショップと韓国物産展を運営し、そこに「ホンサムナラ」コーナーの開設を計画しました。 また、2001年10月からは、韓国で百円ショップの業務拡大に携わりましたが、多大な損失を被り、それによる借金を背負ってしまいました。 2002年4月20日に、韓国の「ホンサムナラ」本社から全社長が来日し、この店舗で高麗人参博物館を開設することになりました。6月17日に「ホンサムナラ」本社を訪問、組織と運営計画を提示し、日本での事業計画を伝えました。翌7月に「有限会社ホンサムナラ・ジャパン」を設立しましたが、日本では中国産ダイエット薬や農薬問題が起こり、輸入するための食品検査の承認が遅れました。また、韓国本社の事情で売場のオープンが遅れ、資金支援が滞り、家主との間に数回トラブルが発生しました。

家主とのトラブル

2002年9月30日のことです。翌10月10日に迫った寝屋川市の売場オープン準備のために、「ホンサムナラ」本社でソウル部長級の派遣が決まり、林部長と金部長が来日しました。それまでも、「大阪ギフト・ショー」出品後の相談や本社からの商品の到着、商品の通関準備、社員の宿泊準備などで、私は大変忙しくしていました。 その日の夕方、家主から突然電話で呼び出され、「(店舗の)鍵を返して出て行くように」と一方的に言われました。「今持っていない」と答えると、「(自分が)散歩から帰るまでに鍵を持ってきて、今晩中に返せ」と言われました。 教会の友人に電話で相談し、交渉しましたが、聞き入れられず、夜11時頃、家主に鍵を取り上げられ、あらゆる侮辱を受けました。その後、朝2時頃まで教会で神様に祈りました。私を信頼し、多くの投資と努力をしてくれた「ホンサムナラ」本社に対して申し訳なく思う気持ちで一杯でした。また、自分自身の無力さに打ちひしがれたり、家主の横柄さに憤りを感じたりする中で、とにかく主を見上げようと、祈ったり賛美したりしていました。賛美歌の「この虫けらのような私のために、主が死んでくださり、十字架の苦しみを受けられた」がとても心に響き、また祈りながら聖書を開くと、次のみことばがパッと目に入ってきました。

「主のみおしえは完全で、たましいを生き返らせ、主のあかしは確かで、 わきまえのない者を賢くする。主の戒めは正しくて、人の心を喜ばせ、主の仰せはきよくて、人の目を明るくする」

(詩篇19:7~8節)

魂を生き返らせ、賢くし、心を喜ばせ、目を明るくする神様に感謝すると、過去の日々が思い出され、涙があふれ出ました。「私の魂を新たにしてください。主のみ顔を私の罪からそらしてください。私の罪を消してください」と切に祈りました。虫けらのような自分を省みながら涙を流し、十字架だけを誇り、自信を持ってイエス様の福音を伝えていた頃のことを思い出しました。そして、「私の心を喜ばせ、目を明るくしてくださる神様をもう一度見させてください」と祈りました。家内と李先生にも教会に来てもらい、自分がおかれている状況と心境を話し、とりなしの祈りを求め一緒に祈りました。

10月1日に、「店舗の中の書類を持ち出したい」と家主に連絡したら、「夜11時30分にドアを開ける」と言われました。私は、家内と女性社員と3人で一緒に祈ってから、寝屋川市の店舗に行きました。そこで、家主の横柄さ、下品な言動など、言葉ではとても言い表せない屈辱的な出来事が何時間も続きました。家主は私に、「堂々と口答えをする」と言い、狂ったように傘の先で私の体を突付いたり、「室内の原状回復費用として、車や財産のすべてを差し押さえる」と言って車の鍵を奪ったうえに、「殺す」と脅しました。そして、家主が教会の友人を呼び出し、「原状回復費用として、1000万円の約束手形を切るように」と要求しました。

家主の脅迫に立ち向かって戦おうと思いましたが、妻子のことが気にかかり、神様が代わって戦ってくださるという確信がありましたので、彼の言うとおりにすることにしました。狂ったように言動する彼を見ても、私は心が平安でした。現実は惨めな状況でしたが、人の考えに勝る神の平安が、私の心と思いをイエス・キリストの中で守ってくださっていることを感謝しました。

祈りに応えてくださる神

2日未明、私は友人の車で約束手形を取るために家に帰りました。その間、家内は一人店舗の中に人質にされ、私が戻るのを待っていました。後で聞いたのですが、その時家主は、家内に対して韓国語でひどい性的な暴言を吐いたそうです。私は、家内が心配で急いで戻りました。嵐のような騒動が終り、帰宅したのは朝4時でしたが、寝ずに待っていた娘たちと家族4人で、切なる思いで神様に祈りました。 その後、日付を書かずに約束手形を切ったことを思い出し、家主が約束手形を銀行に入れ不渡りにし、ヤクザにでも渡したら大変なことになるという不安にかられました。そして、神様に切に求めるダビデの詩篇を読みながら、殉教者のことを黙想しました。私も信仰のために受ける苦しみなら、すべてを神様に委ね、賛美し喜ぶことができますが、私の場合、自分の失敗と状況判断のミスにより受ける苦しみですので、ただ祈るしかありませんでした。 神様、私を哀れんでください! 神様、私を顧みてください! 私は終日、主を呼び求めます。私の魂は主をあがめます。 あなたは私の流離を数えられました。 私の涙をあなたの皮袋にたくわえてください。 神様は、私の愚かさをご存知です。主の前に私は隠れることがありません。 主は私が受けた妨害と侮辱をご存知です。

自分一人ならどんなことにも甘んじるけれど、家内と二人の娘のことを思うと涙があふれました。午後2時40分頃、家主から電話があり、「一枚の約束手形を数枚に分けて切るように」と要求されました。ヤクザに渡すような最悪の事態は免れたことがわかり、神様に感謝しました。Ⅱ歴代誌32章7~8節に、「強くあれ。雄々しくあれ。アッシリヤの王に、彼とともにいるすべての大軍に、恐れをなしてはならない。おびえてはならない。彼とともにいる者よりも大いなる方が私たちとともおられるからである。彼とともにいる者は肉の腕であり、私たちとともにおられる方は、私たちの神、主、私たちを助け、私たちの戦いを戦ってくださる方である」とあります。このみことばに感謝と賛美を捧げました。しかし、「どの神がその民を私の手から救い出すことができたか」というセナケリブの言葉が、まるで家主の言葉のようにも思えました。

失敗も益に代えられて

クリスチャンは行動を起こす時に、生ける神がイスラエルの民を、昼は雲の柱、夜は火の柱で導いてくださったように、神様の導きを祈り求めます。しかし、時には確実な答えを待たずに行動してしまう時があります。今回の私がそうでした。 寝屋川市の店舗を契約する時、120坪のきれいな店で、とてもいい条件でした。しかし、パチンコ店の建物の一部でしたので、家内は心に平安がありませんでした。友人に相談し、家主に「契約をやめたい」と申し出ると、家主はさらに有利な条件を提供してきました。私の心の中に、「今までの様々な失敗を挽回したい」という欲望があり、私は、神様からの応答を待たずに決断してしまいました。 その後数ヶ月間苦しいことが続きましたが、いつの間にか過ぎ去ってしまいました。寝屋川市の店舗は韓国本社が再契約し、私の約束手形はすべて返してもらいました。保証金をとられ、半年間の流した汗と努力は水の泡に消え、損失は大きかったのですが、今は神様の恵みの中で、VIP関西センターに事務室を置かせてもらって頑張っています。 幼い頃から一度もけんかしたことのない私に、どうしてこのようなことが起こったのかわかりませんが、「神様には何かご計画があった」と今は信じています。全てを失ってしまいましたが、新しく出発することができました。この試練を機に、VIPクラブを通して、多くのクリスチャンビジネスマンとの出会いも与えられ、神様に感謝します。

日本での夢

私は、日本で実現したい夢があります。1つ目の夢は、韓国オンヌリ教会のような教会が日本各地に建てられることです。すでに大阪、福岡、東京、長野県の上田、千葉の八千代にオンヌリ教会が建てられ、6月には横浜に建てられます。 2つ目の夢は、日本の社会にクリスチャン文化が花咲くことです。先進国であり、日本人は親切で正直ですが、真の神様と真理を知らずに死に向かって走っています。そのことを思うと、本当に胸が痛みます。しかし、私のような小さな者に何ができましょうか。そのために、VIPクラブの信仰の友と一緒に祈っていきたいと思います。 そして3つ目の夢は、主にあってお金をたくさん稼ぎ、素晴らしい休養地を作りたいということです。この休養地は、海外派遣の宣教師や牧会者、またクリスチャンたちが休息しながら祈り、霊的に充電するための施設にしたいのです。

先週の主日の朝、教会で祈っていたら、次のみことばが心に与えられました。

 

「そればかりではなく、艱難さえも喜んでいます。それは、艱難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです」

(ローマ5章3~5節)

艱難の中にあっても、天国に希望をおかせてくださる神様を賛美します。

 

「幸いなことよ。あなたが選び、近寄せられた人、あなたの大庭に住むその人は。

私たちは、あなたの家、あなたの聖なる宮の良いもので満ち足りるでしょう」

(詩篇65篇4節)

以上